大阪ローカルニュース

2026/07/05

大阪のダムが遊び場になった──茨木市・ダムパークいばきたとは

大阪市内から電車で40分ほど北へ向かうと、突然「ダムが遊び場になった公園」が現れます。茨木市北部に広がる「ダムパークいばきた」。2024年に本格オープンしたこの施設は、公共のダムと民間のアドベンチャー施設が共存する、国内でもユニークな体験型公園です。茨木市の広報誌7月号でも特集が組まれ、この夏の注目スポットとして紹介されています。

30年以上かけて完成した「安威川ダム」とは

ダムパークいばきたの舞台となるのは、淀川水系の支流・安威川上流に建設された「安威川ダム」です。そのきっかけは、1967年(昭和42年)7月に北摂地域を襲った「北摂豪雨」でした。甚大な浸水被害を受けた反省から計画が立ち上がり、1988年度に正式採択。しかし、用地交渉や環境アセスメントなどを経て起工式は2014年。完成したのは2023年度と、計画から30年以上の歳月をかけた大事業でした。

完成したダムのスペックは圧巻です。堤の長さ337.5m、高さ76.5mは、あの「太陽の塔」とほぼ同じ高さ。総貯水量は1,800万立方メートルで、京セラドーム約15杯分に相当します。洪水調節方式は「自然調節方式」を採用しており、人が操作しなくても貯水位に応じて自動放流される仕組みです。近年激甚化する豪雨に備え、安威川沿川の下流域を守る存在として機能しています。

ダムが「公園」になる時代

ダムを観光資源として活用する動きは、全国的に広がっています。国土交通省は「ダムツーリズム」を推進し、見学ツアーや特別開放イベントを各地で展開。「ダムカード」のコレクターが増えたこともあって、ダムはいまやマニア向けからファミリー層にも裾野を広げたレジャー目的地のひとつになっています。

そんな流れの中でも、ダムパークいばきたはひとつ先を行く存在です。単なる「ダム見学」にとどまらず、大和ハウスグループを筆頭とした民間事業者がアドベンチャー施設やカフェを誘致。「公共施設と民間施設が共存する都市公園」というコンセプトで、山とまちをつなぐハブ拠点として整備されました。

2つのゾーンと、それぞれの顔

園内は大きく「湖畔ゾーン」と「風の丘ゾーン」の2エリアに分かれています。

湖畔ゾーンは、ダムの美しい湖面と緑豊かな自然が広がる開放的なエリア。芝生広場でのイベントやマルシェも定期的に開かれています。このゾーン最大の目玉が「GODA BRIDGE(ゴウダブリッジ)」です。2025年3月に開通したこの吊り橋は全長420m、日本最長の歩行者専用吊り橋であり、歩行者専用吊り橋としては世界第3位のスペックを誇ります。湖面からの最高高さは約55m。V字形の非対称主塔というデザインも独特で、渡るだけで圧倒的な景色を楽しめます。さらに橋の上からはバンジージャンプや主塔を420段で登るブリッジクライムなど、アクティビティも充実しています(有料)。

風の丘ゾーンは、ダムの堤体を間近に望めるエリアです。階段を登り切った先からは湖面が一望でき、ダムの壮大さを肌で感じられます。こちらのゾーンには無料で楽しめるスポットが充実しているのも特徴です。

無料で遊べる3つのスポット

ダムパークいばきたの魅力のひとつは、無料で楽しめる施設が複数あること。特に子ども連れや犬連れには嬉しいラインナップです。

BMXコースは、プロライダー監修の本格的なコースが3種類用意されており、難易度別になっているため子どもから大人まで楽しめます(ヘルメット・プロテクター等の着用が必要で、持参が必要)。せせらぎ水路は、ダム湖から流れる水を引いた浅い水路で、小さな子どもが安心して水遊びできます。ドッグランは小型犬エリアとフリーエリアに分かれており、開放感あふれる自然の中でペットと一緒に過ごせます。いずれも利用料は無料です。

この夏だけの「社会実験」にも注目

茨木市の広報誌には、この夏限定の社会実験として2つのコンテンツも紹介されていました。

ひとつは竜仙峡広場BBQエリア。安威川ダム上流の竜仙峡広場でバーベキューが楽しめるエリアで、7月18日から10月10日の土日祝に実施されます(各日4組限定、1テーブル1,000円)。もうひとつは湖面アクティビティ。ダムの湖面で水上アスレチックや足漕ぎサップなどが体験できるプログラムで、7月18日から8月24日は毎日、その後は土日祝に実施予定です。「社会実験」という位置づけのため、今後の正式導入に向けた試みとも読めます。

今後の整備計画も楽しみ

ダムパークいばきたはまだ完成形ではありません。今後も整備が続く予定です。2026年秋には風の丘ゾーンにレストランとグランピング施設がオープン予定。2027年春にはBBQ施設、2027〜28年度冬には多目的運動広場の整備も計画されています。開発途上ならではの「成長していく公園」を体験できるのも、今行く理由のひとつかもしれません。

アクセス

最寄りはJR茨木駅または阪急茨木市駅で、どちらからもシャトルバスが運行しています(土日祝を中心に運転、運賃500円)。無料駐車場も完備されているので、車でのアクセスも便利です。

「大阪にこんな場所があるとは知らなかった」という声が多いダムパークいばきた。夏休みのおでかけ先として、ぜひ候補に入れてみてはいかがでしょうか。

※本記事は茨木市広報誌2026年7月号をもとに作成しています。料金・日程等は変更になる場合があります。最新情報はダムパークいばきた公式サイトをご確認ください。